株式会社エイチワン 株式会社エイチワン

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金型技術

さらなる車の軽量化・高強度化に向けて、自動車メーカーでは高張力鋼板(ハイテン材)の採用が進むなど、部品の加工難化・複雑化が加速し研究開発が日々行われています。
当社では金型領域において、ハイテン材登場初期からシミュレーション技術を積極的に導入し、シミュレーションと現物のプレス部品を比較して検証する中で蓄積してきたノウハウを金型設計及び金型製作に活かしています。
また、金型の設計から製作に至るプロセスと、溶接工程のラインシミュレーションからロボットプログラミングに至るプロセスとの双方で製品設計データを共有・連携させることにより、各々の完成までのリードタイムを短縮しています。

金型成形シミュレーション

製品設計データどおりに加工できるか、また製品としての強度に影響を与えるワレ・シワが発生しないかという観点から、プレス・成形のシミュレーションを行い金型製作前にこれらを解析します。
シミュレーションでは、製品設計段階で作成されたデータと、ノウハウとして蓄積してきた当社独自の判定基準を活用することで、実際の金型製作前に製品の精度をデジタルで保証します。

成形解析

また、金型製作工程に対しても、スプリングバック解析(注1)やバーチャル玉成(注2)にシミュレーション技術を駆使し、金型製作のリードタイム短縮とスピーディな量産移行を可能としています。

スプリングバック解析
バーチャル玉成
スプリングバックの例
  1. 注1: スプリングバックとは、プレス加工された鋼板に働く「もとの形に戻ろうとする力」(弾性回復)のこと。スプリングバックの量をあらかじめ綿密に計算、シミュレーションし、金型を設計します。
  2. 注2: 玉成とは、製品設計データのとおりにプレス部品が成形されるよう金型を仕上げること。仕上げには技術者による熟練の技や金型・プレス加工に対する深い知見が求められます。

金型設計

生産プロセス(プレス工程)におけるプレス部品の品質と量産性を金型の設計段階から保証するために、当社では、三次元ソリッド設計を取り入れています。
三次元ソリッド設計では、自動設計の開発に取り組み信頼性の高い図面に仕上げるとともに、設計時間の短縮を実現しています。
また、金型の強度・剛性をデジタルで解析することで、金型の品質・信頼性向上を確かなものにしています。

ソリッド設計
構造解析

金型製作

金型の加工では、ソリッド設計との連携による無人加工を行っています。例えば切削工程では、ソリッドデータを活用したCAMシステムによるNCデータ化により、自動化を実現しています。
このように当社では、高品質・高効率な金型製作を実現するため、自動化のメリットを最大限生かす加工方法を日々検討し、技術の向上に努めています。

マシニングセンター
切削工程
金属インサートの加工工程

金型の仕上工程では、生産プロセスで使用するプレスマシンへの据付前のTry Outを専用のメカプレスで行い、金型の仕上がり具合を動的及び静的に確認。この段階で、実際に生産されたプレス部品(実パネル)を成形シミュレーション結果や製品図と比較し検証することで、品質熟成期間の早期化とスムーズな量産移行を可能としています。

実パネル
実パネル解析

非接触三次元測定

部品材料(マテリアル)の進化や部品形状が複雑化するなかでお客様の求める品質を満たすため、プレス単品部品、アッセンブリ部品の各工程間解析や金型の測定解析を非接触三次元測定装置を用いて行います。
デジタル測定器で各測定結果を可視化することにより、これらを基に問題箇所の特定や対策を迅速かつ的確に検証できることから、開発リードタイムの短縮と高精度ボディ造りに大きく寄与しています。

金型の非接触三次元測定装置
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