事業概況
2025年3月期の事業概況
当連結会計年度における世界経済の情勢は、インフレの鎮静化や個人消費の回復などを背景に緩やかな成長トレンドを維持しました。一方で地政学的な緊張の継続や、米国の新政権発足に伴う政策の転換を発端に世界経済の悪化が懸念され、先行きに対する不透明感が増しています。
自動車業界においては、販売台数は世界的には回復基調を維持しましたが、世界最大の中国自動車市場では電気自動車(EV)需要の伸長が目覚ましく、中国EV専業メーカーが販売を伸ばす一方、日本や欧米の自動車メーカーが苦戦を強いられる状況が続きました。
このような環境下、当社グループは2024年5月に新中期経営計画として「Change 2027」を策定し、「ビジネスポートフォリオと事業構造の転換・組み換え」を企図し、グループ経営管理の強化、既存事業の採算性改善、利益率の高い製品へ選択と集中、技術開発への資源シフトの重点施策に注力してまいりました。
そのような中での当連結会計年度の経営成績は、販売価格の適正化や為替相場が前年同期に比べ円安水準で推移しましたが、主力得意先向けの自動車フレームの生産台数が前期に比べておよそ14%減少したことを主因に売上収益は2,281億45百万円(前期比2.0%減)となりました。利益面では、製造コストの圧縮を図ったことに加え、前期における有形固定資産の減損処理に伴う償却負担減少などにより、売上総利益は317億5百万円(同42.6%増)、前期における減損損失計上の剥落などにより、営業利益は118億60百万円(前期は営業損失188億26百万円)、税引前利益は108億27百万円(前期は税引前損失193億54百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は107億28百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期損失216億56百万円)となりました。