株式会社エイチワン 株式会社エイチワン

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研究開発

基本的な考え方

「走る、曲がる、止まる」。これまでクルマは、このような性能向上のため、車重の軽減が進められてきました。そして現在、クルマが要求される性能に「環境」が加わり、軽量化は全自動車メーカーが最優先に取り組むテーマとなりました。
クルマのボディは、衝突時に相手車両や人への攻撃性を低減しかつ乗員の安全性を確保するために、車体を変形させ衝突エネルギーを広く分散・吸収する部分と、乗員を怪我から守るために変形を極力少なくした堅牢な部分とで構成されています。
当社では、このような車体軽量化と衝突安全性の相反する機能をボディに搭載する極めて高度な要求に応えるため、早くから積極的に高張力鋼板を活用してきました。高張力鋼板は、一般鋼材と比べ高度な成形技術や溶接技術を必要としますが、さらに加工が難しい超高張力鋼板の高精度量産技術を確立するに至っています。
近年では、燃料電池自動車用金属セパレータの量産や、将来期待されているマルチマテリアルボディに対応すべく、アルミ、その他非鉄材料における成形・接合領域の研究開発を行っています。

燃料電池自動車用金属セパレータ
3DQ(三次元熱間焼き入れパイプ)

アルミホットスタンプに関する共同開発

当社は、リサイクル材料の活用が可能なアルミプレス技術を用いた部品の量産化に向けて、2022年5月より株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)との協業を開始しております。
モビリティ分野において車両の軽量化やLCAでのCO2削減が求められるなか、入手性やリサイクル性に優れるアルミニウムは需要の拡大が予想される原料の一つです。一方、冷間プレスでの成形性が劣るため、アルミ材料の自動車部品としての採用は一部の用途・車種に限定されております。また、材料に含まれる化学成分を厳しく管理する必要があるため、新地金の使用比率が高くアルミスクラップなどの採用は低比率に留まっているのが現状です。
当社が日立ハイテクと開発中の新技術「アルミホットスタンプ」の特徴は、アルミスクラップなどの再生原料を用いても高い成形性が得られる技術であることに加え、リサイクル材料の採用によりアルミ板の製造過程で発生するCO2排出量の削減を実現できることです。
当社は、アルミホットスタンプの量産技術の開発を通じて、循環型社会・脱炭素社会の実現に貢献していく考えです。

試作品のドアインナーパネル
リサイクル材採用によるCO2削減効果の一例。
リサイクル材料は新地金と比べCO2排出量を97%削減することが可能。

100%リサイクルアルミ材を使用した自転車フレームの開発

当社、日立ハイテクと自転車メーカーのホダカは、2022年11月、自動車のアルミホイールスクラップを原材料とする自転車フレームを用いたグラベルロードバイクのコンセプトモデル「ZEEN WIND(ジーンウィンド)」を発表しました。コンセプトモデルのフレームは、世界初となる100%リサイクルアルミ材を使用した自転車フレームとなります。
コンセプトモデルは、フレーム製造にアルミホットスタンプを用いることにより、必要な成形性と強度を保ちながら、新地金由来のアルミと比べ材料製造時のCO2を大幅に削減。製造時の環境負荷が少ない資源循環型製品です。
当社は今後も、新たな技術開発や商品開発を通じて、社会課題の解決にもつながる新価値を創造してまいります。

  1. コンセプトモデル「ZEEN WIND」

  2. 写真協力:ホダカ株式会社
※こちらのボタンを押すと動画をご視聴いただけます。

超⼩型EV技術研究組合(METAx)の設⽴

当社は、2022年10月に、株式会社都筑製作所、ブルースカイテクノロジー株式会社、および株式会社⼭⽥製作所と共同出資にて、「超⼩型EV技術研究組合(略称:METAx)」を設立しました。
今後需要の増加が⾒込まれる『ラストワンマイルの配送やデリバリーサービスにおける新たなソリューション』をターゲットに、低価格で安心・安全な国産の超小型EV(電気自動車)の実用化を目指しております。

  1. ラストワンマイル:モノ・サービスが物流サービスの利⽤者に到達するまでの最後の⼀区間のこと。例えば、集配センター~⾃宅の区間など。

このたび、超小型EVのコンセプトカーの概要をご紹介できる運びとなりました。
小型モーター、小型電池、少電力で走行が可能!が特徴のMicro Utility Vehicle “クロスケ”です。

※こちらのボタンを押すとウェブサイトに移動することができます。

当社は、これまでに培ってきた骨格部品の設計技術や、車体の強度・剛性の解析技術を提供することで新しいモビリティの実現に貢献するとともに、当社グループ2030年VISIONのロードマップに掲げる「新規事業の創出」に向け、車両設計に関するノウハウを構築していく考えです。

展示会への出展

当社はRX Japan株式会社が主催する「オートモーティブワールド クルマの軽量化技術展/自動車部品&加工EXPO」に出展しております。
展示会の期間中、当社の展示コーナーでは、高張力鋼板のプレス加工技術やレーザー接合技術に加え、金属セパレータや3DQボディーフレーム等のサンプル展示、自動車以外にも適用できる精密加工技術、さらには当社の最新の開発技術であるアルミ材のホットスタンプ加工品をご紹介しております。

2023年1月25日~27日 第13回 クルマの軽量化技術展

開催日 2023年1月25日~27日
名称 オートモーティブワールド2023
第13回 クルマの軽量化技術展
開催場所 東京ビッグサイト

2022年10月26日~28日 第5回 名古屋 自動車部品&加工EXPO

開催日 2022年10月26日~28日
名称 オートモーティブワールド2022
第5回 名古屋 自動車部品&加工EXPO
開催場所 ポートメッセなごや

出展している技術をご紹介します。

①100%リサイクルアルミを用いたホットスタンプ技術(1,387KB)

②アルミ熱間加工技術の構築(1,252KB)

③GFRTPを用いた自動車部品の軽量化技術(1,464KB)

④超ハイテン材冷間加工技術の構築(831KB)

⑤三次元熱間曲げ焼入れパイプ(3DQ)(877KB)

⑥連続接合・接合位置による剛性向上(615KB)

⑦局部増肉成形技術の開発(651KB)

⑧燃料電池車用金属セパレータ量産技術の開発(944KB)

⑨精密打抜き加工技術の開発(657KB)

⑩高速アルミMIG溶接の開発(717KB)

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